日本画制作や文化財修復などに欠かせない、自然素材の接着材である和膠(わにかわ)を生産していた唯一、最後の生産者(兵庫県姫路市)が昨年暮れに生産を中止してしまい、廃盤商品となってしまい、当店でも販売が出来なくなってしまいました。(写真は、和膠である「三千本膠」)
大半の日本画家が使用している膠は、湯銭して水で溶かし、日本画の岩絵具を溶いたり、画布や板に塗ったりして定着に使うのが一般的なのですが、最近は大量生産された精製品の膠(洋膠)に押されて生産者が激減していました。残念ながら唯一、最後の生産者が生産中止となってしまいました。
専門家の間では、工業的に精製された膠(洋膠)は、あまり岩絵具との相性が良くないとの意見もあり、精製過程で使われる漂白剤や防腐剤の残留物が経過年数によってどう影響するかを不安視する声もあります。
今後、自然素材である古くからある「和膠」の生産者が出てくることを期待します!
※和膠(わにかわ)・・・牛や鹿などの皮を長時間煮出し、コラーゲンを抽出して固めた接着剤。
時代とともに、画材の世界もどんどん移り変わっていくということが解りました。日本独自の自然素材の接着剤が完全に無くなってしまうことは、悲しいことですね・・・
返信削除2011年4月30日11:37 投稿 様
返信削除コメントありがとうございます。
人工的なものはどんどん進化しますが、自然のものが手に入らなくなるというのは仕方がなく悲しいですね。
三千本膠 が ディスコン ?
返信削除文化庁さん、なんとかしなくちゃ・・
田淵先生! 宮迫先生!